エベレストでガイドが危篤。あなたならどうする?

薬も水も持たずに登山して私が薬をあげても水をケチって飲まず、自業自得で高山病になった馬鹿ガイド。

それまでは怒っていた私ですが、まさか目の前で死にかけるとは思いませんでした…。

 

●これまでのエベレスト記事

メンヘラを起こしたのでエベレストに行ってきた話。ベースキャンプ費用。

日本からネパールの首都カトマンズへ。中国線がカオス。

ネイリストが登山服!?ネパールのネイルサロン。

エベレストの装備・持ち物。ツアー会社の社長からセクハラ!?

航空事故多発!世界一危険なルクラ空港へ(カオス)

エベレスト1日目。食事が不味すぎる。どんな宿で寝るのか?

エベレスト2日目:映画に出てくる絶景橋へ!(ナムチェ)

高度順応3日間。エベレスト街道最大の街ナムチェとは!?

荷物持ちが高山病で嘔吐。カオスなエベレスト。

馬鹿ガイドも高山病に。ツアー会社とトラブル。

【エベレストの記事一覧】

 

ガイド、突然瀕死

高山病で歩くのが遅く、私より遅く到着したガイド。

ガイドは体調が悪いので共有スペースにはおらず、自分の部屋に引きこもり。

 

この日の夜ご飯は焼きそば。

相変わらず不味いですが、比較的マシでまだ食べれて良かったです。

 

(お昼はピザに見えないピザ。マジで変な味がする。)

 

…で、いつものように有料Wi-Fiを購入し、唯一暖房がある共用スペースでくつろいでいたら

宿の人達が騒ぎ始めた。

「オクシズン!オクシズン!!!!」と騒いでいる。

何事!?と思ったら

ガイドが瀕死状態。

 

私が呼ばれ、ガイドの部屋に行く。

ガイドの部屋(高山病なので特別に個室)、電気が無くてライトで照らす。

夜21時頃の事で、真っ暗、そして気温はマイナス4度。

それでも部屋に暖房は無い。

 

寒い山でカオスな状況。

宿の人達、私、そしていつものベテランガイドさんとその客の日本人男性も心配になり駆け寄る。

少し前まで馬鹿ガイドの自業自得さに怒っていた私だったが、いざ目の前で瀕死状態を目にすると怒りどころではなくなった。

ガイド、どうやら体調が急変して高山病が悪化したよう。

 

酸素ボンベが無いと死ぬ

叫ばれていた「オクシズン」とは英語で「酸素」の事。

日本製の酸素ボンベ?。

ボンベではないですね。酸素の機械。

彼、これが無いと死ぬ状態に。

 

ツアー会社に送る為に撮影した写真。

 

鼻にチューブを通され、とにかく具合が悪そう。

詳しい症状は知らないが、嘔吐するわけでもなく、うつろな顔でただ寝てる

ちなみに喋れない。

 

救急ヘリを呼ぶ為、ツアー会社に電話

宿の人が「救急ヘリを呼ばないと危ない」と言い出し、私がツアー会社に電話する事に。

しかしここはエベレスト付近。

電波は無く、非常に遅い有料Wi-Fiのみ。

こんな時に限ってなぜかスカイプの電話が繋がらない。

ツアー会社のセクハラ社長とはFacebookメッセンジャーでやり取りしていたので、とにかく鬼メール、鬼電話。

しかしツアー会社に繋がらない。

 

やっと繋がった、と思ったら電波が悪すぎて電話ができず。

氷点下の中、真っ暗な外の「電波が繋がるスポット」に行く事に。

「電波が繋がるスポット」は小屋の屋根の上で、そこに携帯を置くとスピーカーで電話できるよう。

 

なんとかツアー会社と電話できるようになり、宿の人が症状を伝え「救急ヘリが必要」と訴える。

が、ヘリを呼ばない社長。

 

ツアー会社にヘリを呼んでもらえない

話が少し変わりますが、荷物持ちやガイドが高山病になる事ってそもそもあるのか?という話

慣れていても多少体調不良になる事はあるようですが、今回のようにガチで瀕死状態になるのはかなりレアなよう。

そりゃそうですよね…。

前日の荷物持ちが高山病で嘔吐クラスはたまにあるっぽい。

 

で、救急ヘリ。

どれだけ宿の人が「救急ヘリが必要」と言っても「とにかく下に降ろせ」(標高の低いところに移動させろ)しか言わず、ヘリを呼んでもらえない事態に。

 

私、この時悩みました。

状況としては

・ガイドが救いようも無い自業自得で高山病

・私はガイドにもツアー会社にも「大丈夫じゃないと思う」と激しく主張

・しかしプロの彼らが「軽度だから大丈夫」と言い続行

・私は「何かあっても知らないし責任も持てないし1円もお金は払えない」と伝えてある

・で、まさかこんな事になるとは思わなかった

私は一切悪くありません。

責任も全く無いと思っています。

が、ヘリを呼ばないと危ないらしい状況。

しかしヘリを呼んでもらえない。

もし私がヘリを呼んだら費用は私持ち。

払えない事は無いけれど、金額は未知の世界。

15分で数万円とかの観光ヘリとは違い、大金である。

悩みました。

 

結果として私は呼んでません。

絶対にヘリを呼ばないツアー会社 VS 宿の人

宿の人に「呼ばないと死ぬのか」と聞いたら、今すぐ死ぬわけではない事が分かり、呼ばない決断にした。

 

 

あなたなら自腹でヘリを呼びますか?

この質問、この話をした知り合い何人かに聞いてみました。

ある人は「悩むけど目の前で死なれたら気分が悪いから呼ぶ」

ある大金持ちの人は「絶対に呼ばない」と即答。

 

救急ヘリ代、数千円とかではなく私にとって大きい金額

 

 

ガイド、ヘリを呼んでもらえず

ツアー会社がヘリを呼んでくれず、私も呼ばないので翌日下山させる事になりました

夜で真っ暗だから朝まで酸素を付けられ、なんとか持たせるそう。

とりあえずよっぽどな事が無い限り?、酸素を付けられた状態で今すぐ死ぬ事は無さそうなかんじ。

ちなみに酸素が無いと、すぐに死ぬ状態。

 

瀕死で危篤状態でも部屋に暖房は無い。

私は自分のカイロをたくさんガイドにあげた。

ヘリを呼ばないという決断をした以上、私にできる事はそれくらいだった。

 

ガイド、運ばれる

エベレストでは早寝早起きで夜22時には就寝していた私。

この日はガイド瀕死事件により、寝れたのが夜中の1時くらい。

どっと疲れました…。

悪い意味で非日常で寝付けなかったけれどなんとか寝て、朝に。

ガイド、一人で寝かせると危ないので朝まで荷物持ちが付き添い

(夜中に死んでた、とか危ないよね…)

 

朝、私が起きたらガイドは生きていた。

一人では歩けないので、荷物持ちのポーターに背負われ下山。

私はガイドも荷物持ちもいなくなった。

 

ガイドも荷物持ちもいなくなった私

前回の記事で「新しい荷物持ち」として紹介した人に間違いがありました。

彼、私の荷物持ち3人目だった。

 

私の荷物持ち(ポーター)…

1人目…高山病で激しい嘔吐をしてリタイア

2人目…高山病のガイドを背負う為に一緒に下山

そして3人目。

 

自分のガイドも荷物持ちもいなくなった私、これまでたくさんお世話になってきたいつものベテランガイドさんにお世話になる事にしました

ツアー会社からは「新しいガイドと荷物持ちを送り込む」と提案されたけれど、それだと私が延泊しないといけないし、ツアー会社が信用できない。

それより、目の前にいる信用できるベテランガイドさんにお世話になる事に。

 

ちなみにベテランガイドさんのグループは

ベテランガイドさん、日本人男性(1人)、荷物持ち

の3人組。(これまでの私と同じ構成)

 

私が着いていかせてもらう事に了承してくれた、客の日本人男性とベテランガイドさんには本当に感謝。

ベテランガイドさんが日本人男性と行動し、

私が荷物持ちと行動させてもらう事になった。

 

ちなみにお金は、リタイアした私の馬鹿ガイドが例の封筒を新しいベテランガイドさんに渡して引き継ぐ形。

「例の封筒」とは宿代や食事代といった経費とガイドの報酬が入ってる封筒。

※ツアー代金は宿代や食費も混みのプラン

 

ツアー会社から「ガイドに渡して」と渡された封筒。

いくら入っていたのかは謎だが、ベテランガイドさんからすれば利益になる事は違いないのでWinWinだったのかもしれない。

一番得をしていないのは日本人男性。

ツアー代金が一部返金されるわけでもないのに、協力してくれてありがとう。

 

宿満員で高度順応2泊できず

高山病防止の為の高度順応、ナムチェ(3,440m)で2泊して、本来はここディングボッシュ(4,260m)でも2泊するのが通常。

しかし10月の一番良い時期・ハイシーズンで宿が満員の為、2泊はできない事に。

(これは道中から可能性として聞かされていた)

 

以前の高度順応・ナムチェで軽い高山病症状が出た事もあり2泊できないのは不安でしたが、より気をつけながら進む事にしました

(前日の宿に戻る高度順応方法もあったが、それだと肉体的に超辛いので進む事にした)

 

エベレスト6日目に続く…。

エベレスト6日目。標高5,000mの世界。

2019年12月22日

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